大学を卒業して、入社した会社での私の所属部署は営業課でした。
金融関係でしたので、とにかく信用第一。
好感を持っていただける笑顔と豊富な商品知識、そして新入社員らしいフレッシュさで仕事にあたりました。
大学を出たばかり、そして国家試験にパスしたばかりの私たち新人でしたが、怖いもの知らずの向こう見ずで、大きな額のお金を扱っていました。
主に顧客は先輩からの引き継ぎでしたから、ずっとずっと以前からの信用でお取引いただけているのだなぁと事あるごとに感じていました。
ある日、あるお客様のおうちに説明に行くことになりました。
それまでは電話でのやり取りで、お金も振り込んでくださっていたので、お会いするのは初めてでした。
私はとても緊張しながら伺いました。
挨拶を終え、お客様のお顔を拝見するとにこやかに笑ってくださっていて、「電話のお声からイメージしていたあなたそのままだわ!」と言ってくださったのです。
ほっとして力が抜けました。

女性のお客様の目はシビアです、作り笑顔や心にもないお世辞など通用しません。
もとから私はそういう営業の仕方はしませんでしたが、先輩の中にはおべんちゃらを言ってなんとかお金を出してもらおうとしている人がいました。
その時のその先輩の顔の醜いこと!きれいな顔立ちの人でしたが、心の内が外に出てしまい、歪んだ笑顔で私は見るたびぞっとしていたものです。
男性のお客様にも、私はいわゆるぶりっ子はしませんでした。
同期の子は、声色を使って商品説明をしていましたが、お金を扱う仕事の場でなんて不謹慎な・・と私は思いました。
今から思うと、それもフレッシュな一年目だけありだったのかなと思ったりしますが。
とにかく、私は今思い出しても自分らしくまっすぐ正直に仕事に励んだと思います。
あなたなら信用できる、あなただから任せられる、その言葉が何よりの励みであり誇りでした。
そんな私も結婚と同時に退職し、主人もそろそろ定年間際の年齢になりました。

年とともに気付いたこと


近頃鏡を見るとぎょっとする時があります。
目の下のくぼみ、顔全体のたるみ、若い時はつり気味だった目も今ではタレ目になっています。
体重増加により、奇しくもシワはあまり目立ちませんが、ずいぶん見た目の印象が変わりました。
マッサージや肌のお手入れやメイクで、せめておばさんっぽくならないように心がけています。
顔のたるみ=心のたるみに通じるような気がするのです。
顔のたるみに負けないよう、心はいつも溌剌と目を輝かせて、いい年の取り方をしていきたいと思っています